LOBノー・ターニング・バック(日本語ルールなし)
『ノー・ターニング・バック』は、LOB(Line of Battle)シリーズ最新作で、1864年5月に行われたウィルダネスの戦いを扱います。南北戦争後半を代表する2人の司令官、ユリシーズ・S・グラントとロバート・E・リーが初めて直接対決した大規模な戦いです。
ウィルダネスの戦いというと、鬱蒼とした森林の中で両軍が互いの位置を見失い、部隊が道に迷い、混乱したまま激突した戦いとして語られることが少なくありません。それ自体は間違いではありませんが、本作は詳細な調査と研究に基づき、その「混乱した森林戦」だけでは説明できない戦いの姿を描こうとしています。
戦場では作戦レベルの機動も活発に行われ、両軍の司令官は敵の開いた側面を突こうと部隊を動かしていました。
グラントは、兵力で優位に立つ大軍全体を投入した総攻撃を目指します。一方のリーは、そもそもこの「荒野」で全面会戦を行うことを望んでいませんでした。しかし戦闘が始まると選択の余地はなく、数で劣る北バージニア軍を巧みに投入して対抗します。
そして、この戦いで見落とされがちなのが、両軍とも何度も勝利をつかみかけていたことです。しかし、そのたびに戦況は最後の瞬間に思わぬ方向へ転び、決定的な勝利には届きませんでした。
プレイヤーはグラントあるいはリーとなり、この血まみれの藪の中で史実では逃した勝利をつかむことになります。
『ノー・ターニング・バック』の大きな特徴は、戦場となったウィルダネスの戦い(荒野)を単なる「森の地形」として扱っていないことです。
専用の荒野地形、指揮・通信の困難、性質の異なる各種の道や小径、そして部隊を導くガイドなど、この特殊な戦場が部隊の行動をどのように制約したのかをゲーム固有のルールで再現しています。
マップを見ると、その狙いは明瞭です。道路から一歩外れれば、戦場の大部分を細かな森林地形が覆っています。さらに史実の部隊が利用した無数の道や小径が入り組み、「どこで戦うか」だけでなく「どうやってそこへ部隊を送り込むか」そのものが作戦上の問題になります。
マップは、戦争直後に実施された測量を基礎として作成されており、史実で両軍を混乱させた複雑な道路・小径網が詳細に再現されています。
両軍の複雑な指揮系統についても、この戦い特有の状況が盛り込まれています。
北軍では、グラントとミード率いるポトマック軍との指揮関係に加え、バーンサイドの独立した軍団、ハンコックによる事実上の「翼」指揮などを再現。
南軍でも、ソレル中佐による臨時編成師団、初日には強靱な戦いを見せながら翌日には消極的になったイーウェル、そして部下に陣地を構築させることができず、危うく破局を招きかけたA・P・ヒルなど、指揮官と組織の個性が戦況に影響します。
騎兵戦は全体として小規模でしたが、重要な役割を果たしたノースカロライナ第1騎兵連隊とニューヨーク第5騎兵連隊の行動もルールに組み込まれています。
本作の戦闘序列は連隊単位で構成され、各連隊の兵力も史料に基づいて再現されています。その作成には著名な南北戦争研究者からの協力も得ています。
大量の連隊ユニットと4枚のマップを使用することで、『ノー・ターニング・バック』はウィルダネスの戦いを非常に細かなスケールで再現します。
単なる「森の中の混戦」ではなく、グラントとリーが敵の側面を探り、限られた道路網を使って部隊を送り込み、指揮・通信の混乱と戦いながら決定的な瞬間をつかもうとした戦役級の駆け引きまで描こうとしているのが本作のポイントです。
【シナリオ】
●「ウィルダネスの戦い:通常スタート」(マップ4枚)
●「ウィルダネスの戦い:早期スタート」(マップ4枚)
●「奇妙で不気味な戦い:ウォーレンの攻撃」(マップ2枚の一部)
●「大地が彼らを呑み込んだ:サンダース・フィールド」(マップ1枚)
●「一発ごとに死があった:ライトの攻撃」(マップ1枚)
●「死の饗宴:ハンコック対ヒル」(マップ1枚)
●「勝利なき凱旋:第2日目スタート」(マップ4枚)
●「見事に敵を追い立てる:南翼の戦い」(マップ2枚)
『No Turning Back』という題名は「もう後戻りはできない」という意味を持ちます。1864年のグラントによるオーバーランド方面作戦の幕開けとなったウィルダネスの戦いを、森の中の混乱だけではなく、連隊規模の戦術から軍全体の機動と指揮まで掘り下げて再現するLoBシリーズ作品です。
¥18,000
















